青に染まる
綺麗な横顔だな と思った
シンプルに好きだな と思った
時間が経ったら君にだって好きな人は出来てきっとあたしの知らないところで幸せになるんだろうなと考えてしまう自分が醜い。
指の先に青が映えていた。
ずっとこの時間か続けばいいのにだなんておとぎ話のようなことを考えてしまった。
帰り道、ほんとは短くて終わってしまうのが惜しかったの
あたしはとぼけて遠く感じるなんて言ってしまったけれど短すぎて、この道がループしてくれればいいのにとさえ思った。
きみの部屋にいる時間、帰り道、行きの道、全て明度や彩度がいつも見る感じより少しだけ上がっていたの
あたしは恋をしているんだと気づいてしまった
欲やドロドロとしただるいものに侵食されてしまった過去のあたしを浄化してくれるような、そんな時間だった。
きみは夏が好きだと言う。あたしは夏は苦手だけれどきみがいる夏だったら少しは好きになれるのかな
ごめんなさい、好きなの って言ってしまわないかと思っていたがさすがに言えなかった。
恋に沈んでいくこの瞬間が怖いのだ。
まるで底無しの沼に足を突っ込んでしまったような、ズブズブと沈む絶望に似た感覚。
聴いた歌、見た景色、その時の匂い 全て色付いてしまうから。
失いたくないから恋なんて本当はしたくないの でも楽しくて戻れなくてもどかしい。