関係性/404
今年の初詣は子宮の重さと、幸福と、寂しさがいれまじったものだった。
別れ際、涙がこぼれてしまった。
きみはあたしの考えを見透かしていたくせにとぼけたふりをしていた。(それはあとから聞いたのだが悔しくて、恥ずかしくて、堪ったものではなかった。)
髪が長くなったきみはあたしよりずっと大人で、髪の色が変わったあたしは自分が思うよりまだまだ子供であった。
去年と同じ景色を今年もきみと見れたのが嬉しい。
でも関係はちがう。
帰りに寄った喫茶店である話の途中であたしのことも待たせてしまっているし と、きみは言っていたね。
あたしはきみがそのことを覚えていると思っていなかったから問題 として捉えていることも嬉しくてこの時も泣いてしまった。
あたしはきみのことを本当に知らないんだな と思った。
あの期間のことも伝えた。きみは嫉妬の表情も見せずに それも大事だよ と言った。
どうしたらそんな大人になれるんだろう。あたしだったら嫉妬の表情がすぐに出てしまうのに。
こんな関係だから という言葉があたしには痛い。
別にどこに行ってもいいよ と言われている気がしてザクリ、と胸に刺さるのだ。
あたしもほかの人を見て、ここに帰ってきてるのだからそこは大人の意見はいらないのにな
と思ってしまうあたしは子供なのだろうか。
でも変わらずあたしのことは好きだし、あたしのことを大事に、そして心配もしてくれる。そのことが前と変わらない唯一のことみたいで嬉しいのだ。
今年は今までよりもっと大人になれるのだろうか。もっときみが離したくないと思う女の子になれるのだろうか。いつかきみが迎えに来てくれる日はくるのだろうか。
あたしもきみみたく、仕事が脳大半を占めてくれればこんなこと考えなくて良いのにと思ってしまった。